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密を避けて寝ながら移動 サンライズ出雲・瀬戸

マイマップ:非密の交通手段①②参照

 

サンライズ出雲・瀬戸とは

新幹線が日本中に整備される前、長距離を旅する最良の交通手段として津々浦々へ向けて運行されていた寝台特急

昭和後期から平成にかけて新幹線による代替やLCC航空会社の増加によって寝台特急の需要は減っていき、日本で唯一定期運転している寝台特急サンライズ出雲・瀬戸のみとなった。

この唯一の路線はコロナ禍前から大人気でなかなか予約が取れないことで有名であったが、コロナ禍においては密を避けながら移動できるという新しい可能性も浮上し、ますます予約が取れない列車になることが想定される。

 

サンライズの概要

サンライズ出雲・瀬戸は、下りは東京駅を21:50に出発、岡山駅まで出雲・瀬戸連結して運行し、翌日にそれぞれ終点の9:58出雲市駅、7:27高松駅に到着する。瀬戸は期間限定で高松駅にて折り返し琴平駅まで運行する。

上りは18:53出雲市駅、21:26高松駅を出発し、翌7:08に東京駅に停車する。

 

サンライズ出雲・瀬戸の始発終着駅時刻表

 

東京駅

サンライズ出雲・瀬戸

 

高松駅

(サンライズ瀬戸)

 

出雲市

サンライズ出雲

下り

21:50

7:27

9:58

上り

7:08

21:26

18:53

 

それまでの寝台特急の定番であったブルートレインに置き換わり、ノビノビ座席以外の全てが個室タイプとなっている。

北斗星トワイライトエクスプレス等にあったロビーカーや食堂車はなく、自販機とミニロビーがあり、基本的にお客さん皆で片寄せ合って楽しむものではなく、ホテルのようにプライベート空間で個人個人の時間を過ごすイメージである。

自販機は飲料のみで車内販売もないため、乗車前に必要な食べ物を用意しておくことをお勧めする。

全個室に大きな窓があり、東京や大阪の大都会から山林や海原の景色など様々な車窓を楽しむことができる。

 

車内は一人用A個室(シングルデラックス)、一人用B個室(ソロ、シングル)、二人用B個室(シングルツイン、サンライズツイン)、普通車座席指定席(ノビノビ座席)がある。個室はAの方が等級が高く、広さや設備、サービスが異なる。

ノビノビ座席は名の通り座席扱いなので割安であるが人が横になってかつ荷物が置けるスペースがありブランケットも用意されているので、貴重品をしっかり管理すれば就寝して過ごすことができる。

 

車内にはシャワー室があり、シャワーカードを購入することによって6分間お湯を利用することができる。

お湯は止めることもできるため6分間でも十分。但し、シャワーカードは乗車後すぐに売り切れ、かつ予約ができないのでピーク時間帯は混雑している。

時間を気にしない方は朝一に入ることをお勧めする。

A寝台利用者はシャワーカードがセットになっており、A寝台利用者専用のシャワー室があるため心配はご無用。

 

下りに乗る際は、乗車後できるだけ早く就寝したい。

例えば出雲の場合終点出雲市駅到着は10時前でたっぷり時間があると思う、実際には岡山駅での出雲・瀬戸切り離しの際にこの先の路線について数分間のアナウンスがあり、必ずと言っていいほど起床してしまう。

そうすると岡山駅到着6:27の少し前に起床してからなんだかんだずっと起きたまま一日を活動することになるので、七時間睡眠を目標とするならば東京から乗車後一時間以内に身支度を済ませたほうが良い、という算段だ。

 

今乗っておかないと!

人気の列車ではあるが、サンライズは全個室でそもそも収益化を見込みにくい構造なっておりJRグループ魅力向上のためのフラッグシップ的存在として運行している面もある。ただしJR東日本JR東海JR西日本、JR四国を横断し走行しているため、どの会社のフラッグシップなのかという点から存在意義について疑問を持つ声もある。

また、各会社の収益分配はその走行距離に応じているため、JR四国などは終着駅としてメンテナンスなどの繁雑な業務のわりに少ない収益で運行している。

ただでさえ財政が厳しいJR四国が万が一離脱してしまうと瀬戸が廃止、また出雲・瀬戸セットで運航しているスケールメリットがなくなり、出雲も廃止となる恐れがある。

今後、各社は自社内の路線のみで運行できる寝台列車を組むことはあるが、サンライズのように会社を横断して長い距離を移動する列車はなくなっていく一方であると考えられている。

そう考えるとこの日本最後の長距離寝台列車、一度は乗っておきたいものである。