私の鎌倉迎賓館 ケニーズバー
マイマップ:歴史と頂く飲み屋①参照
JAZZとボーっとする時間を楽しみたいときに行くBAR。 鎌倉で飲み歩いた帰りや、残業を終えてなんとか鎌倉駅に辿り着いた夜、家路の前に寄り道したいと思ったら、ふと帰り道を脇道に逸れ裏小町通の方へ足を向ける。
通りの両脇には小さな雑居ビルの中に様々な飲み屋の看板がたくさん。
近隣に迷惑にならない程度に程よくにぎやかな一帯。
若者が通うお店から紳士的な大人なお店までなんでもあるが、共通して言えるのはどこも狭くてぼろい事。
場所によってはほとんど膝突き合わせて卓を囲むようなお店もある。
そういうのが好きな人ばかりが通う一帯の古いビルにある小さなBAR。
扉を開ければ寡黙そうなおじいちゃんが笑顔で迎えてくれる。
店内に入ると、JAZZ BARらしく暗めで、狭い空間に二つのテーブル席とカウンター席。
カウンターは部屋の作りに沿って真ん中で曲線を描いている。
カウンターの角は木製で直径10cm程度の丸みを帯びており、思わずスリスリしてしまう。
カウンターの椅子はこんもりと丸く体を包み込む。
マスターの背後は少しサイケデリックな青系の蛍光ライトに照らされたお酒とおびただしい量のCDが置いてありどんなJAZZでも喜んで、といった構え方。
BGMは大体マスターのお気に入りCDから選曲されたJAZZを流れているが、ほかにお客さんがいなければ曲のリクエストもできる。
マスターがやっているビッグバンドのトランペット曲をリクエストすれば盛り上がることは間違いなし。
少し早い時間にまだお客さんがいなかったりするとマスターがテレビを見ていることがあり、お願いすれば一緒に見ながらくつろぐこともできる。
名前を覚えてもらったぐらいからできる少し通な滞在の仕方。
お客さんは紳士とマダムが多いが、若い方やカップルもふらっと入ってくる。
決して迷い込んだ観光客ではなく、嗜み方を心得た人ばかり。
地元の人が多いので、どんな話をしたって大体盛り上がる。
マスターは合いの手も入れてくれるし無視もしてくれる。
JAZZの話、鎌倉の話、ゴルフの話、世間話、大体マスターは拾ってくれる。
地元の方じゃなくたって、流れに沿った話をすれば大抵盛り上がるのでご安心を。
BARに入ってはBARに従え、楽しく過ごす最小限のマナーさえあれば歓迎してもらうだろう。
一番のおすすめはブルドッグ。
私はいつも瓶麦酒から入ってしまう風情の無い人間なので、二杯目をブルドッグにすると結構ふらふら。
でもおつまみがおいしくて食べながら息抜きしているとまた次が飲みたくなってしまう。
遠くから友達が来た時には地元民じゃないとなかなか入りづらいここを連れて行ってあげたいし、楽しんでもらえるとなぜか少しだけ鼻高々な気分になる。
ここは私にとって鎌倉の迎賓館なのかもしれない。